生きていれば、「人生がつまらない」とか、「むなしい」と感じる日もありますよね。
ずっと気持ちが沈んでしまい、どうすれば人生が楽しくなるのかがわからず…なんて重苦しく思ってしまう日も、わたしは多いです。
でもね。
そもそも、「つまらない」という感情と向き合っているのは、少人数ではないんです。
周りを見渡してみてください。
スマホアプリ、SNS、動画配信サービス、ゲームなど…
人が退屈を解消するための商品が、たくさんありますよね。
そしてそんな商品を扱うことがビジネスとなり、会社が稼いでいるのです。
多くの人が「つまらない」という感情を原動力に、暇つぶしをしています。
周りにはびこっている「暇つぶしツール」こそが、その証明です。
退屈を解消するために使った時間とお金を考えると…こわいなぁ。
この本が言うには、「つまらない」と感じている人はきっと「自分にとって意味がない」と思うことをして、人生を送っているのだそうです。
「自分にとって意味のない人生」に、価値がないと言っているわけではありません。
「自分にとって意味のある人生」が良いものだとも言っていません。
でも、「自分にとって意味のあること」をすれば人生は「つまらない」から離れていくものです。
そして、どんな生き方を選ぶかは、自分次第です。
そして「つまらない」という感情は、どんな人生を選びたいのかを考えるためのきっかけを作ってくれます。
「つまらない」って本当は、大切なことを教えてくれる、ありがたいものなんだそうです。
人生がつまらないときに人生の意味を探そうとしても、逆効果だと言います。
というのも、「つまらない」は一時的に解消されたとしても、また舞い戻ってくる感情だからです。
だって、わたしたちは常に、新しい刺激を求めてしまうでしょう?
そもそも、わたしたちは今まで、「つまらない」との付き合い方を、学校や家庭で教わってこなかったですよね。
だから、「つまらない」に悩んでしまうのは、仕方のないことなんです!(開き直る)
そこでこの本は、その「つまらない」を繰り返す循環の理由と、そこから抜け出す方法を教えてくれる本です。
- つまらないとは何なのか
- なぜつまらないと感じるのか
- つまらないという気持ちとの付き合い方
- つまらないと感じない人生の送り方
- 毎日がつまらない人の解決方法
- 仕事やプライベートでつまらない悩みの解決
この記事では、この本からわたしが学んだことの一部をかいつまんで、「なるほど」と思った部分だけど、みなさんにご紹介したいと思います。
「つまらない」がなくなった状態になると、どうなる?
本の筆者は、「つまらない」を抱えている人たちを相手にカウンセリングを通して「つまらない」を手放すお手伝いをしているのだそうです。
そこで「つまらない」という悩みを手放すことに成功した人たちは、その後どうなっているのでしょうか?
具体的には、このような発想を持てるようになるんだそうです。
そしてわたし自身が1冊を読み終わり、感じたことは以下の通りです。
「つまらない」には2種類あるって、気づいてた?
「つまらない」「退屈」という感情は、大きく2種類に分けられると言います。
- 一時的な退屈
- 慢性的な退屈
それぞれの原因に、特徴があります。
「一時的な退屈」の原因は、主に上記の3種類に分けられます。
その場限りのものなので、「はやく時間が過ぎないかなぁ」と考えながらこなすことが多いでしょう。
一方で「慢性的な退屈」を感じている場合は、
という状況で、「ゆううつ」「むなしい」などの感情が芽生えます。
慢性的なので、退屈な気持ちが悪化すると、うつ状態になってしまうことも…。
「つまらない」の対処法が間違っていませんか?
多くの人は、「つまらない」の対処法が間違っているのだとか。
ほとんどの場合に「逃避」をすることで、「つまらない」を解消しようとします。
でも、その「退屈から逃げ出そう」とする行為こそが、「つまらない」から抜け出せない原因なんです。
つまらないと感じている人が「逃げ先」として選ぶのは、主に下記の8つ。
わたしはこの項目を読んで、まさに自分のことだとハッとしました。
仕事に行き詰まったらスマホを手に取り、アプリサーフィンをする日々。
面白いことがないから1日中ダラダラと、スマホをいじってしまいます。
元彼と同居中に喧嘩が絶えなかったのも、「つまらない」」が原因だったかも…。反省。
死を意識するほどの退屈は、慢性的に深刻化しています。
一般的には、セラピーやカウンセリング、薬物治療を行い対応されます。
「つまらない」と感じる根本的な原因とは?
「つまらない」と感じる原因は当然ですが、「意味や楽しみがない」と感じていることです。
意味や楽しみがないと思えば、校長先生の話が退屈だと感じるでしょう。
一方で、そのスピーチがあなたにとって超有益なら、一言一句とりこぼさないように耳をすませますよね。
つまりこの「つまらない」という感情は、わたしたちに「意味や楽しみのある人生を送りなさいよ」と教えてくれている、と解釈できるわけです。
「つまらない」は悪ではない!味方につけると強い
「つまらない」という感情は、必ずしも悪ではないんです。
人間には誰しも、「退屈に対応する力」が宿っています。
例えば、待ち合わせに早く着いたとき、携帯の電池が切れて、手元には暇つぶしになる要素が何もないときです。
あなたは、何もすることがないので、諦めてボーッとあたりを見渡します。
最初はイライラしていた感情も落ち着き始め、今まで見えていなかった、そこにある環境に目を向けます。
青い空、小鳥のさえずり、小さく揺れる黄色い花、子供たちの笑い声…
友達が待ち合わせ場所についた頃には、なんだか心が癒されて、素敵な時間を過ごしたような気分になるのです。
そんな経験、みなさんも心あたりがありませんか?
「退屈は悪いもの」と考えなければ、それほど害ではないのです。
…なんて言われても…。
ものにあふれる現代社会に生きるわたしたちにとって、これは正直あまり響かないですよね…。
でもこれは、あくまでひとつの考え方。「つまらない」と感じる原因を紹介しただけ。
「つまらない」の解消法は、もう少し後でご紹介するので、もうちょっと待っていてください。
「慣れ」が循環し「つまらない」を生み出す
はじめは面白いと思っていたことも、気づいたら「つまらない」と感じ始めていた、なんてことありませんか?
人は「つまらない」から逃げ出すために、刺激を求めます。
新たな刺激を見つけて逃げ出すすることで、一時的に満足します。
しかし、しばらくしてその刺激に慣れると、飽きて「つまらない」が戻ってくるのです。
心理学の専門用語では「馴化」と呼ばれるこのループは、長期化することで慢性的になります。
「人生がつまらない」という退屈さは、このような慢性的な退屈からやってきます。
「つまらない」から逃げず向き合うと、感じ方が変わる
「つまらない」から逃げるのは、人生を楽しむための1つの手段です。
ほとんどの人が、「何もしないこと」を耐えられないものだと考え、恐れます。
スマホをいじったり、テレビを四六時中つけていたり、ご飯を食べたりする以外にも、考えごとをしているときは何かをしているため、「何もしない」ではありません。
しかし「つまらない」をなくすためには、「つまらない」からなるべく逃げずに「何もしないことは素晴らしい」ということを学ぶことも、また一つの手なのだと言います。
「何もしないのは無駄だ」
「何もしないなんて悪である」
こんなふうに考えているなら、きっとあなたはマジメで、物事に一生懸命に取り組むタイプなのでしょう。
でも、このような考え方を続けることで、人生はつらく苦しいものになってしまいます。
退屈から抜け出すためのキーワードは「理由なき幸せ」
幸せに関する世界的なエキスパート「マーシー・シャイモフ」さんは、自身の著書で『「脳にいいこと」だけをやりなさい!』という本を出しています。
彼はその中で、「何もしないとき」に感じられる幸せを「理由なき幸せ(Happy for no reason)」と呼びました。
つまり、理由がなくても自分が満たされていれば、刺激を得ようとする必要がなくなるのです!
「何もしないこと」で自分が満たされていれることが、いかに素晴らしいかを知るのが重要です。
あまり神経質になりすぎず、「何も考えていない」状態を作り出すのがポイントです。
心と脳は、繋がっています。
だからこそ、「何もしない」ことで脳を休ませてあげることで、心が幸せを感じられるようになるのです。
一時的な「つまらない」の解決方法3つ
冒頭で、「つまらない」という感情は大きく2つに分けられるとお伝えしました。
この本でご紹介されている、「一時的につまらない」と感じる時の解消法は、3つあります。
- 今経験していることをやめる:つまらないならやめれば良い
- 今経験していることに意味を見いだす:自分のための新たな目的を作り出す
- 今経験していることを楽しむ工夫をする:ゲーム感覚で取り組む
「何もしないこと」は素晴らしいことであり、何もしないことで自分が幸せを感じられると、知っておくこと。
これだけで「つまらない状態から逃げようとしない」という状況が作り出せます。
簡単に言えば、つまらないと考える対象のものの見方を変えて、自分にとって楽しいと思えるように考え行動する、ということですね。
慢性的な「つまらない」の解決:人生の意味を見つけるな
慢性的に「つまらない」と感じることの原因は「人生の楽しみや意味がわからない」ことです。
そこで筆者は言います。
少し前までの時代では、人生の意味を教えられて生きるものだったそうです。
文明や文化の発達とともに、「人の生き方とはこういうものだ」「お前の人生はこうすると良くなる」などの教えのもと人生の成功モデルができあがり、その通りに生きることが「意味がある人生」とされた時代だったのだとか。
良い学校に入り、勉学にはげみ、家を買い、結婚して子供を育て、企業に勤めあげ、定年を迎えたら、年金でのんびり生活をする…。まさに古き日本の考え方そのものであり、現代でも馴染みのある響きではないでしょうか。
現代では、そんな人生が良いとは言い切れなくなりました。
今は、個人それぞれが、違う人生の意味を持っている時代です。
一人ひとり、人生には意味が存在します。
ただし、それを見つけようとするから、人は疲れてしまうのです。
なぜなら、現代の生き方に「正解」はないのですから。
人生の意味とは、見つけるものではなく「気づくもの」です。
しかし、世の中には自然と、人生の意味を持っている人と、持っていない人が存在します。
では、その違いとは、なんでしょうか。
自分にとって意味のない人生とは?
自分にとって意味のない人生って、なんでしょうか。
人の生き方に無理に合わせようとしたり、世間や他人と違うことをしないように生きるのは、自分の人生を歩んでいるとは言えません。
つまり、本来の自分ではない人生を歩んでいるとき、「意味のない人生」と言えるでしょう。
一方で意味のある人生とは、なんでしょうか。
つまり、本来の自分として生きられているとき、自分にとって意味のある人生だと言えます。
「つまらない」という感情は、「今のあなたは自分にウソをついているよ」と、本来の自分を生きていないことを教えてくれます。
だからこそ、「つまらない」から逃げてばかりでは、本来の自分の生き方に出会うことはできません。
本来の自分を生きていれば、一時的な体験として退屈を感じることはあっても、慢性的に「人生がつまらない」と感じることはありません。
最も重要なのは、「本来の自分を生きる」ことなのです。
本来の自分を生きている人の特徴
「本来の自分を生きている人の特徴」つまり、慢性的な「つまらない」を感じていない人には、10の特徴があります。
この本では10個の特徴をあげていますが、今回はその中でも筆者に響いた1つをご紹介します。
慢性的な「つまらない」を感じない人の特徴:理由なく自分を満たしている
理由なく満たされていれば、自分を満たすための何かをする必要がなくなります。
「当たり前のことが、本当は当たり前じゃない」ということに気づくだけで、人生は満たされるようになるのです。
1つも、当たり前のことなんてないのです。
満たされていない多くの人が「もっともっと病」にかかっている、と筆者は言います。
これらを得たとき、人は一時的に満たされ、幸せを感じます。
しかしまた「もっともっと病」が始まり、満たされたいという気持ちが続くのです。
では、なぜ「もっともっと病」が発動するのでしょうか?
理由は大きく分けて2つです。
一つ目の理由は、幸せへの慣れにあります。
人は、何かを手に入れて一時的に幸せになっても、しばらくするとそれが当たり前になってしまうからです。
気づくと以前ほど幸せを感じられなくなり、もっと何かを手に入れようとするのです。
これは心理学用語だと「幸福順応」と呼ばれています。
そしてもう一つの理由が、他者との比較です。
他者との比較をすることで、自分がどれだけ幸せかを測ろうとするのです。
他の人よりもっと手に入れて、幸せになろうとします。
これは社会学の用語で、「相対的剥奪」と呼ばれます。
満たされない内面を満たそうとして、外的要因にもっともっとと求めてしまうというわけです。
他にもこの本では、下記のような特徴を挙げています。
この本では他にも5つ紹介されていますが、全てを紹介するとネタバレなのでやめておきます。
まとめ:「つまらない」を感じない→本来の自分を生きること
日頃からよく「つまらない」と感じている人は、なんとなく解決法が見えてきたでしょうか。
ここまでの話をまとめると、わたしは下記だと解釈しました。
本の内部には、自分でできるワークが7つ、ケーススタディーが5つ用意されていました。
ケーススタディーでは、もっと具体的なよくある悩みに対して、著者が詳しく解決策を説明しています。
実は、もっと「なるほど」と思える点は、本の終盤にあります。
でも、これ以上説明してしまうのは良くないと思うので、続きが気になる人はぜひ手にとって読んでみてください。
今回はここまでにします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。