スペインでオーペアを1年間する予定だった筆者ですが、先日、4ヶ月で辞めさせてもらうことになりました。
予定の半分も継続できず、「辞めたい」と伝えることになってしまった理由。
全てを話すとただの愚痴のように聞こえそうなので、「辞めたくなった大きな原因」になった4点に絞ってお伝えしたいと思います。
- これからオーペアをしたい人
- オーペアを海外滞在手段として考えている人
- オーペアの感想を聞きたい人
- 今オーペアを辞めたくて悩んでいる人
まず始めに、今回はオーペアのネガティブな部分をお伝えすることになりますが、実際にはとても魅力的な部分があることも事実です。
筆者のファミリーは素敵な人たちだったので、悪口を書くつもりはありません!
この記事はあくまで抽象的かつ端的に「私が辞めたくなった理由」を紹介することで、オーペアのリアルをお伝えするのが目的です。
つまりこれは、筆者の体験談をまとめた感想記事です。
あくまで、「こんなこともあるのか」という参考程度に読んで頂けたらと思います。
私がオーペアを辞めた大きな理由4つ
オーペアを辞めた大きな理由は大きく分けて4点あります。
そして上記4点の総合的な結論を一言で言うと「生産性のバランスが保てなかった」ことが辞める決心に結びついたと思っています。
それぞれについて詳しくお伝えしていきます。
オーペアを辞めた理由①清潔感の異文化
まずしんどかったのが、清潔感の感覚の違いです。
たとえば、洗った食器に泡がつきっぱなしなどの状況は慣れっこです。
でも、コロナだからこそ感じた「共同生活の上で清潔感に対する違いが明らかになった」部分が多かったです。
毎日シャワーを浴びないことや、土足生活については、コロナの問題の中だからこそ感じた部分です。普段であれば筆者には関係ないので、特に気にしないのですが…
コロナ禍になってから私は、毎日家に帰ってきた瞬間に服を洗濯機の中に入れ、そのままシャワーを浴びる生活をしていたので、外気に触れたままベッドに入ってしまうのも理解しがたく…。
そして子供たちのパジャマ。
私が勝手に洗濯カゴに突っ込むまで、同じものを着続けます。
なので、ベッドメイキングのついでに勝手に洗濯物に入れてしまうことにしました。笑
下の子は漏らした後履き替えるだけで体は洗わないから、よくおしっこの臭いがしてたよ。
清潔感の異文化:マスクの使い方
マスクの使い方って、文化というか人それぞれなのかな…?
マスクの取り扱いについても「なんのためにマスク使ってるの?マスクを使えば感染しないわけじゃないんだよ?」と頭を抱えたくなったことがしばしば。
家の中に使用済みのマスクが散らばっていて、いつ使ったかわからない放置されていた使い捨てのマスクもまた使用します。
子供がふざけて鼻水まみれになったマスクを私の顔になすりつけてきたときは、さすがに怒ったけどね。
筆者にとって、男の子2人の相手をする毎日は、格闘でした。
清潔感の異文化:帰宅しても手は洗わないのが普通
もう一つ驚いたことは、帰宅をしても手を洗わないことです。
普段から「外から帰ってきたら手を洗う」というのが常識だった筆者でしたが、これは驚きました。
特にコロナの今の時期、手洗いうがいの徹底って基本だと思うのですが、そういう習慣のない子供達は嫌がるんです。
筆者が嫌なのでせめてご飯の前は手を洗わせようとするのですが、これも一苦労。
叫びながら逃げようとするか、洗ったと嘘をつくんです。
オーペアを辞めた理由②食生活の異文化
食生活に感じた異文化で主に辛かったのは、以下の点です。
どういうことかと言いますと、こんな感じ。
食生活の異文化:スペインの食事時間が遅い
スペインでは朝ごはんが8時、昼ごはんが15時、夜ご飯が21時であることが多いです。
今までの人生ずっと昼ごはんは12時、夜ご飯は19時前後だった私には、きつかった…。
スペインの食生活独特の悩みだったと言えると思います。
完全に空腹で食べる昼ご飯のあとには食べ疲れがどっと押し寄せてくるんです。
思っていたよりも身体は慣れず、負担になっているのを感じました。
また、食事のタイミングによる時間の配分が難しく、「え、今?」となることが多かったのも気疲れの原因になっていました。
食生活の異文化:野菜を食べない生活
この家族だけなのかもしれませんが、本当に野菜を食べない!!
子供が野菜が嫌いで、ファザーも火が通っていて味付けされている野菜以外は嫌いなんですね。
なので、炭水化物+肉か魚がドーンとお皿に乗って出てくる日が多いです。
野菜が好きな筆者には辛い!
とは言え作ってもらっている側なので、文句は言えません。
ということで、日本食を作るときには、ここぞとばかりに野菜を使いました!笑
食生活の異文化:一皿ドーンでレンチンでもOK
レンチンの料理って、一人暮らしのひとが食べるイメージがあったのですが、スペインでは子供がいる家庭でも日常的に食べるんですね。(知らないけどウチはそうでした)
レパートリーは電子レンジだけでなく、オーブンで焼くだけのものが食べられるのは、スペインらしいかなと思います。ラザニアとか。
「子供がいるから栄養バランスを考えて…」という日本の親御さんたち、関心しました。
1汁3菜を作るのが料理だと思っていたので、料理に対するハードルを上げていたのは筆者自身であることがわかりました。
あと、日本食の「1汁3菜の3角食べ」に慣れている筆者にとって、1プレートに1料理だけドーン!を食べ続けなくてはいけないのは、少しきついです。
オーペアを辞めた理由③子供達の態度
始めの1ヶ月は「遊ぼう遊ぼう!」と優しくしてくれたので良かったんですけどね。
慣れてきた2ヶ月目から早々、辛いと思い始めた子供の態度をご紹介。
言うことを聞いてくれない部分に関しては、スペインの両親も協力的で「オーペアの言うことは聞かないといけません」と子供達に話してくれたんですけどね。
子供って純粋じゃないんだなと思ったよ。
おそらく問題点は、筆者自身が初月に優しくしすぎたせいでなめられてしまったことだと思います。
上記にあげたものは、どれも予期していないことでした。
服を着替えさせること・ご飯を食べさせること・勉強をすること全てが大苦労。
親ってまじ、すごいよ。
全親という親に素晴らしいで賞を与えたいっ!!
さらに、子供からの屁理屈や文句がすごい。偉そうに明らかな嘘やら言い訳でイラつかせてくるんですね。これは筆者が親じゃないからだと思います。
これらは結構、精神的にやられた理由として大きかったと思っています。
オーペアを辞めた理由④生活上の不便
これは書く必要はないかなと思ったのですが、「オーペアの家ではこんなこともあるよ」というリアルをお伝えするために、付け加えておきます。
「海外でオーペアを雇える家族の家」と言うと、「かなり裕福な家に違いない!」というイメージを持っている人もいると思います。
大きな家・大きな庭・大きな部屋・おしゃれなバスルーム・暖かい暖炉・床暖房・エアコン完備…。
こんな夢を抱いている方には、注意報です。
シャワーヘッドについては少しネタですが、地味に面倒でした。
また、自分のベッドは右側に傾いていたので、寝心地は正直良くなかったです。
そしてメインはこんな感じ。
生活上の不便:筆者の部屋は外気が入ってくる
オーペアって、1人1部屋を与えてもらえることが多いと思うのですが、その部屋が寝室にふさわしいかというと…そうとも限らないみたいです。
筆者の部屋は屋根裏部屋で、とても広くて可愛らしいのですが、外気が入ってくるんですね。
もともと物置部屋として使われている部屋なので、寝室としては使いにくいのも納得ではありますが…
風の強い日は窓の隙間から風が入ってきているのを感じます。きついです。
暖房が入っていないので、冬はとっても寒いです。
部屋にいるときは屋内なのに、常にジャケットとマフラーをして過ごしていました。笑
ソファーにいるときはブランケットが必須で、勉強をしていると手が冷たくなって辛かったです。
生活上の不便:移動して良いと言われた部屋が鼻くそだらけ
筆者のファミリーはとても優しくて気遣いをしてくれる人たちだったので、部屋が寒いなら移動しても良いと言ってくれていました。
しかし、移動先の部屋はすでに10才のお兄ちゃんが使っている部屋で、ベッドからは彼がなすりつける鼻くそが毎ベッドメイキングのたびに見つかっていました。
また、子供たちはよく部屋で遊んでいるし、収納されている彼の服を取る際に靴のままベッドに乗られることなどを予想すると、移動しないことが懸命な判断だと考えて、寒さに耐えておりました。
でもこんなこと、ファザーマザーには言えないよね。
生活上の不便:犬の臭いが服につく
犬はとっても賢くて人懐っこいラブラドールレトリバー。
人に向かって吠えたり噛んだりすることは、まずありません。
甘えん坊なので筆者の手を鼻で押して、「撫でて!」をアピールしてくるし、よく体をなすりつけてきます。
超可愛いんですけど…
犬独特の臭いがすごい!
筆者がいた4ヶ月の間でシャワーを浴びたのは1度だけで、外で遊んだら部屋にも入ってくるので、なかなかの臭いになります。笑
服が犬臭くなるので、パジャマで家をうろつくことができませんでした。笑
大型犬でシャワーを浴びさせにくいので、仕方ないんですけどね。これは可愛いからオッケーです。
生活上の不便:子供と遊んでいるときは仕事じゃない説
週7で仕事をして、ほぼ自分の時間が取れていなかったときスペインファザーと話して言われた一言。
「子供と遊んでいるときに仕事だと思っていると思わなかった」
これは個人的にかなり衝撃的だったので、言わせてください。
仕事じゃない時間に子供と遊んでいたい20代なんてこの世にいるんか。
もっと衝撃的な一言。
「仕事をじゅうぶんにしていると思えない」
これはわりと、「辞めた方が自分のためになる」と感じた言葉でした。
私の時間はどこにいったの?どうしてスペイン語の教科書開く時間ないの?週7で働いて仕事が足りてないって何?
オーペアは時給が発生しないので、「常に家にいてお手伝いをしながら、子供に英語を教える英会話教師」として週7で働いてご飯を食べさせてもらうのは、正直わりにあっていないと感じました。
「家で子供の世話をするから仕事をしに出かけない=楽」だと思われている典型的な例なのかもしれません。
これをきっかけに、「もう頑張りたくない」と感じてしまい、辞めることを視野に入れ始めました。
生活上の不便:毎日気を遣うから疲れる
毎日同じ人たちと顔をあわせ、相手に迷惑をかけないように生きつつ期待に答えるように仕事をする、というのは気疲れがすごかったです。
繊細めな人やHSP気質のある人に、オーペアはおすすめしません。
今まで多くの人とシェアルームやシェアフラットを経験し、他人と住むということに慣れていたつもりでしたが、オーペアとして人の家に住ませてもらう、というのは別でした。
プライベートと仕事が混ざりやすいことが理由かもしれません。
一方でファミリーは筆者が住みやすいように、家だと思えるように、努力をしてくれていました。
だからこそ、このような形になってしまったことを本当に申し訳なく思っています。
結論:オーペアを辞めた理由は「生産性」のバランス
結局自分勝手な話しなのかもしれないですが、「自分にとって価値のある生産性が無い」ことに嫌になったのが一番の理由です。
子供たちの英語力がぐんぐん上がっているのが嬉しい反面、自分がスペイン語を習得する時間は減ります。
こうして変わらない生活をしているうちに「私はここで何をしているんだろう」と思ってしまいました。
どれだけ働いても自分にお金が残らない仕事であることも重要で、生活の中に成長を感じられない場合、一年後の自分に残るものは少ないです。
今の自分の気持ちを尊重することと、未来の自分が後悔しないように、こういう結果になりました。
小さい町で、できることがないことも理由なのかもしれません。
ということで、筆者がオーペアを辞めた理由は以上です。
皆さんがオーペア生活を楽しめますように!
こちらから読んで頂けると、状況がわかりやすいと思います。